2014/03/28

人生ピボット(5):行動前の思考3秒ルール

山ほどアイデアがあるので何とかしたいなーって話。


 「TOEFL 勉強法」で検索すると、このブログが1番上に来るので、そこそこ人様の役に立つコンテンツになってると自負しています。その中で、スピーキングの自習方法を説明した部分があり、「紙のカードを使ってね!」と書いたのですが、スマホアプリでこの勉強法をできるようにしたら超便利じゃね?という結論に到達しました。今更ですが。

このように、そもそもの問題を知らない(どうやってスピーキングを勉強すれば良いの?)人に対して、解決策を提供する(こういう勉強法があるよ!)という経験は、多かれ少なかれ誰もが持っているわけですよ。もしくは、自分が何かしら困ったときに解決策を調べたり。

その解決策がベストではない(紙のカードを用意しなければいけない!)というときに、より良い解決策を作って提供する(スマホアプリで簡単にできる!)ことが、まさに既存製品の置き換えであり、イノベーションなわけです。


でね、そうやって意識すると、山ほどアイデアは降ってくるわけですよ。でも、アイデア自体には糞の価値もないわけですよ。だから実現する必要がある。そもそもそのアイデアにニーズがあるのか、とか色々と検証した方が良いかもしれない。というか、本当は思い立ったらその日のうちに製品を完成させるくらいの勢いがほしいわけですよ。

これはもう何度も同じことを言ってるくらいの成長のなさで、 非常に恥ずかしいんですけど。このスピードの遅さが、中途半端に(必要のない)計画を立てる弱さに繋がってるわけですよ。人生をピボットするためには、まずここをどうにかしなくてはいけない。

前のエントリー(最初の起業支援はリーンキャンバスの各要素の不足を補う形だと良いんじゃないか?的な内容)を書いて思ったのが、この話題って生産性なくね?ということ。もはや、このブログは「忘備録」に留めるべきじゃないんじゃないかと。 ソリューションの「提供録」くらいにまで引き上げた方がいいんじゃないかと。

前回のエントリーだったら「リーンキャンバスをベースにした支援マッチングサイトを作っちゃいました」くらいの内容じゃないと駄目だろうと。あるいは、その前段階として、簡単なキャンバス共有サイトだけでも良いかもしれない。いずれにせよ、今の自分は非常にださいと思います。


 まとめると

・問題と解決策のリサーチ
・より良い解決策をアイデアとして採用
・そのアイデアを小さく実行⇒検証していく
・ソリューション量産しまくれるんじゃないか?

という意見。

んで、「実行」を大仰なものにすると上手くいかないので、これまでの人生ピボットシリーズでは、「小さく実行」のためのアレコレを考えてきたのであります。まぁでも、そんなアレコレ考えるのは時間の無駄だねーという話でもあります。

バスケのピボットを再び例に挙げると、パスを貰ったら3秒以内に次の行動をしなければいけないというルールがあるらしいので、 同様に、「小さく実行」するための思考は3秒で済ませて、とっとと行動しましょう。

ということで、2014年度は「ソリューションの量産」を目標にして、「3秒ルール」を徹底したいと思います。せめて毎週何かしらをブログに書けるように頑張りたい。せめて、リサーチ、アイデア、実行、検証で1ヶ月に1つ報告できるくらいを目指したいよね。まぁ、とりあえずガンガン行こうぜ!的な。

学生起業自体は難しくないけど、問題はその先だよねって話。

FacebookでシェアされたURLで「学生の起業ハードルを下げる」的な企画が紹介されていた。そこでは、①創業のための資金調達が難しいことと、②エンジニアの確保が難しいこと、の2つの理由から学生起業は困難だと主張されていた。だからマッチングすればいいんじゃないか?的なアイデアだった。

これはちょっと違うんじゃないかなと思いました。
 
私の背景としては、在学中に成り行きで会社を創業して、でもあんまり上手く行かなくて、株式を別の人に渡して、とりあえず自分が立て替えていた創業費用などは何とか回収できました、という残念具合なのですが、一応、法人設立がどんなものか、というのは自分の目で見ました。あと、他の人の事業立ち上げを手伝った経験がいくつかあるので、1つの視点は提供できるかと思います。

んで、学生起業のハードルが高いか、と問われると、そんなことなくね?と思ってしまうのです。ただ、実際に会社を作るまでは、勝手がよく分からないので、心理的にハードルが高い、というのはあると思います。少なくとも上記2点の問題ではない。



まず、資金調達に関して。

創業自体に30万円くらい、赤字でも毎年の税金に10万円くらい掛かるので、これらが最低ラインで必要。

住所登録にオフィスを借りる必要がある場合、大学のインキュベーションセンターに相談したり、起業家支援の活動をしているシェアオフィスを借りればかなり安価に押さえられる。それが無理でも住所だけ格安で使わせてくれるサービスがあったりする。

エンジニアの話が出ているので、Webアプリやスマホアプリを作る、という状況を想定するとサーバを借りたりドメインを取得したりAppStoreに登録したりといった諸費用も掛かるけど、最小容量に押さえれば、総額で1〜3万円くらいのはず。

これらの最小経費とは別に、リーンスタートアップ(プロダクト・マーケット・フィット前)の検証と、グロースハック(プロダクト・マーケット・フィット後)に費用がかかるわけですが、ここでの金額はラウンド毎にピンキリだと思われます。

例外的に、生活費・学費を稼がなくてはいけない=人件費をカウントすることになる場合は、一気に必要資金が増えますが、これは置いておきます。結構重要な論点だと思ってますが。

んで、

・そもそも法人設立をしなくてもいいケース(数万円=バイトで良くね?)
・法人設立をするけど追加費用は少ないケース(50万円弱=起業支援プログラムやコンテスト賞金で十分に確保できる)
・法人設立をした上で追加費用が多いケース(数百万円=最近国内でも増加しているシードアクセラレーターを活用すればOK)
・既に初期の検証は終わっていて成長段階に入るケース(上限なし=シードではなく大型のVC出資を受ける)

という感じになります。だから、起業支援プログラムが増えること自体は悪くないのかなとは思います。

理想は、アルバイトで最小費用を稼ぎつつスキルを身につけた上で、最小費用を使いながら、少人数のターゲットを対象として、事業アイデアの各要素(顧客・課題・収益構造など)を検証していき、その過程でプロダクトをブラッシュアップしていき、規模拡大ステージに入るタイミングでベンチャーキャピタルから出資を得る、という感じかと。

初期段階での資金調達のマイナス点を挙げると、余計な報告業務が増えたり、意思決定プロセスが複雑化してしまって、リーンスタートアップの検証サイクルを減速する恐れがあるとの指摘もあり、個人的な実感としてはこの意見に賛成です。

ただ、ビジネス要素の1つであるチャネルを確保する手段としてVCを活用する戦略は有効だと思っていて、その場合はシード段階での資金調達はアリかなと。いずれにせよ重要なのは事業の進展であって、資金調達のウエイトは初期段階では低いはず。でないと資金繰りに意識を取られて本末転倒なことになるなぁーと。


ここいらの議論は以下の書籍を踏まえると良いと思います。

・『リーン・スタートアップ』:新規事業の立ち上げが失敗するのは不確実性を最小化しないから。つまり、顧客や課題や解決案や収益モデルを1つ1つ検証して不確実性を最小化することで成功できるビジネスへと到達できるよ!的な。

・『Running Lean』:具体的にビジネスの各要素をリーンキャンバスという図にまとめて、それを1つ1つ検証していく実例を紹介するよ!大したお金を掛けずにここまで検証できるんだぜ!的な。

・『グロースハッカー』:検証が終わった後の成長段階では、高額なプロモーションをやればいいってわけじゃないぜ!お金を掛けずにきちんとした工夫をすることで顧客をたくさん獲得できることを説明するよ!的な。

・『スタートアップ・マニュアル』:検証の段階では、資金の減少スピードだけ注意すれば良いよ!お金がなくなる前に検証を終えることができれば、成長段階のビジネスには次のラウンドの資金調達があるじゃないか!的な。

・『小さなチーム、大きな仕事』:そもそも会社を作ったり資金調達しても余計な業務が増えるだけだから、とりあえず今できる範囲でやった方が良いよ!上手くいきそうだったらいくらでも会社設立や資金調達の話は出てくるでしょ!的な。

※リーンキャンバス(LeanCanvas)の画像 => http://perth.startupweekend.org/files/2012/09/Lean-Canvas.png



次に、エンジニアに関して。
自分でやるパターンと他の人を誘うパターンがある。理想は前者。

・ビジネスのスピード感として、トラブル時にすぐ対応する必要があったり、ちょっとした検証を自分で行えるほうが、何かと都合が良い。そう上手く長期で深くコミットしてくれる人を見つけるのは難しい。
・サービスへの思いが強い人が直接サービスを開発すると、仕事を投げられた人間が作るよりも、細部がしっかりする…気がする。ここはチームの体制によりけりだけど。
・開発者のコミュニティと縁を作りやすいので、別の技術者を見つけやすかったり、技術者が働きやすい環境を作れる。(私はこの実感がないけど、本当にコードを書いたことさえない人に比べると結構恵まれてるのかなと思う点はある)

他の人を誘う場合、CTOとして完全に任せられるだけの技術があり、かつ深い関係性を築かなければならないけど、それだけ優秀な人はなかなか捕まらないという問題がある。

例外としては、お金を払って雇う場合だったり(資金調達の問題がここで打撃)、その道60年のおじいちゃんが立ち上がって業界を変える…レベルのインパクトだったり(それだけのリソースを持つ学生は少ない)、そういう場合だったら手を差し伸べる人もいるだろうけれども。

とりあえず自分でやってみて、勉強会にも顔を出したりして、分からない部分を聞きながら、面白そうだと思ってもらえるくらいの成果を出していって、途中合流していただくのが最良な気がします。大学の起業支援団体に問い合わせれば相談相手としての技術者は紹介してもらえたりします。


ここいらの話は以下の書籍/サイトで勉強してから考えれば良いのではないでしょうか。

・『ドットインストール』:だいたい揃ってる。
・『Rails Girl』:短時間で成果物を作ってやる気を出す。
・『Rails Tutorial』:RailsでTwitterを作ってみて、その過程で色々学ぶ。
・『プロになるためのWeb技術入門』:座学用。体系的に知識を学べる。

Rails推しなのは、開発フレームワークとベストプラクティスが明確だから。いきなり他の言語だと初心者には選択肢が多すぎる気がします。でも、ごめんなさい。正直エンジニア問題は私も情報不足です。アップデートできるよう励みます。

---
[2014.05.03 追記]
この点について、参考になりそうな記事がありました。

・非エンジニアの起業家が最初のエンジニアを採用出来ない理由
http://tech.blog.hisaju.org/2014/04/10/startup/
・エンジニア「で、あなたは何が出来るの?」
http://anond.hatelabo.jp/20140410160246

「自分が参与すれば確実に成功する」とエンジニアが思えるだけの準備ができていない、そういう意味で魅力のない案件だから、技術者を捕まえることができていない、という指摘。

私が上で述べたように「面白そうだと思ってもらえるくらいの成果を出」すことが、やはり大事なのではないかと思います。
---



結論としては、少しアルバイトしてお金を貯めれば、会社設立自体は何の問題もなくできるわけですよ。問題はその先で、ベンチャーキャピタルが出資したくなるような、優秀なエンジニアが参与したくなるような、そこまでの成長段階に漕ぎ着けられるかって部分が重要なのだと思います。

そのためには、(少額資金+自分の小さなスキルで十分な程度の)小規模な範囲で、不確実性を最小化するスタートアップの戦い方をしなければいけないのではないかなーと。そこに、ちょっとした金銭支援や技術アドバイスは入るべきだと思うし、そのマッチングはあっていいと思います。

ただ、必要なものは、それだけじゃないんじゃないでしょうか。ビジネスの各要素(顧客とかチャネルとか)について、それぞれ必要なサポートがあるわけですよ。そのうちの1つの要素である「製品」の実装リソースが不足しているケースでは、エンジニアの助言が必要になる、というだけなんじゃないかと。

だから、リーンキャンバス(各要素を図示したもの)をベースにして、それぞれの要素の不足部分を短期間でいいからサポートしてもらえるような、そういった形の支援について、マッチングする仕組みがあればいいんじゃないでしょうか。あるいは単に、自分はこういう形で補ったよ、というノウハウ共有だけでも十分な気がします。

というわけで、その第一歩として、このエントリーを通して私は、資金調達とエンジニア確保に関する1つの知見を、ささやかながら共有させていただきました。異論反論は山ほどあると思うので、ぜひお聞かせいただけると嬉しいです。

おわり。

2014/03/26

優秀な学生が入社直前で大手企業の内定を蹴るのは必然だという話。

私の周りだけかもしれませんが、昨年の春に大手企業に内定が決まった学生(の中でも、特に優秀な人たち)が、この春=入社前のタイミングで、次々と「実は内定を蹴りました〜」とカミングアウトしまくっております。

大したサンプル数があるわけではないので一概に言えないのですが、多くが「内定が決まった後に始めたアルバイト先の企業に引き抜かれる」「内定が決まった後に立ち上げた事業が上手くいきそうなので起業する」というパターンのようです。サンプルとしては、ややIT系が多めですが、政府系・金融系なども。

んで、採用した企業側はたまったもんじゃないでしょうけど、これって結構、必然的な帰結のように感じます。


というのも、まさに上記ケースの通りなのですが、採用が決まってから入社まで半年〜1年間近く待つことになるので、当然ながらその間、学生は別のことをするわけですよ。アルバイトなり、事業の手伝いなり、自分でサービスを立ち上げるなり。優秀な人ならそこそこ成果を挙げる可能性も高いので、アルバイト先から引き抜きの声を掛けられたり、本格的に打ち込むくらいやりがいを感じるわけです。

一方で、採用をした企業側でも、内定者をアルバイトとして雇ったり、先輩や内定者同士で飲み会を開いてもらったりといった工夫をしているところが多いのではないでしょうか。アルバイトに裁量を与えているベンチャー企業だと、入社前から大活躍する期待の新人…といった話もしばしば聞きます。

ただ、ほとんどの企業はお手伝い程度の業務しか任せないっぽいです。どちらかというと、企業に入社する前の心構え・マインドセットを整える儀式としての役割が強いように感じます。先輩のありがたいお話を聞いたり、自分が入ったらこういうことをやるんだなーとイメージさせる職場体験のような感じかなと。これもサンプル少ないので、違ったらごめんなさい。

上の2つのケース(内定先以外での活動 / 内定先での活動)をあえて両極端な二項対立として捉えると、内定先では「実際に携わることのできる業務」は控えめで、「1年後の入社に備えたマインドセット」が重視されています。逆に、他社でのアルバイトや事業の立ち上げでは、「マインドセット」をじっくり整える余裕はなく、「実際の業務」が100%となります。


図示するとこんな感じ。


内定先:入社時点でのマインドセット最大化 => 業務は入社3年くらいで100%参与できるように教育される。



内定先以外:最初の数ヶ月で業務が100% => 打ち込んでいるうちにマインドセットも最大化される。

結果として、長期的なキャリアプラン(「この会社に入って3年後にはこうなっていたい!」)よりも、短期的なモチベーション(「目の前の課題に今すぐ打ち込みたい!」)がまさって、内定先を蹴ることに繋がるわけです。

優秀な人を半年〜1年間も放置して、他に取られないわけがない、ということです。入社後のイメージを膨らませるだけの生産性のない時間を過ごすよりも、やりがいのある仕事に打ち込む方が楽しいだろうし、その優秀な人たちは、のんびりと入社を待っていないだけの行動力・実行力があるからこそ、優秀だと評価されるんじゃないかなーと。


なお、これが生じないのは、

・短期的なモチベーションよりも長期的なキャリアプランを優先し、なおかつ、そのキャリアプランは最初の内定先でのみ実現されるケース。
(ただし、不透明な時代でキャリアパスが計画通りにいかないだろうと予想する場合、長期的なキャリアプランを優先するインセンティブは弱い)

・興味分野、業務内容、人間関係、成果などの面で、業務に打ち込んでもマインドセットが最大化されなかったケース。試しにやってみたけど「やっぱ違うわ」的な。

・特定のスキルを身につける目的など、最初から短期間での参与を意図して、卒業後は最初の内定先に勤務するつもりでいるケース。

いずれにせよ学生側の都合に依るところが大きいので、採用側ではコントロールが難しい部分です。

そこで、人事が下手にキャリアプランを想起させる発言(「内定を蹴るか迷っているのなら、最初に入社しようと思ったときの気持ちを思い出してほしい」とか「3年後の自分を想像してほしい」とかの発言)をすると、もう最悪。

「あ、こいつ、分かってねーわ」と醒めた目で見られる可能性アリです。なぜなら、入社を前提にした(その学生には響かない)マインドセット押しを繰り返しているだけだからです。


また、仮にこの引き抜き条件が揃っても人材をキープ可能なのは、

・アルバイト先の企業=自社のケース。要するに、入社前の優秀な新人アルバイトに裁量を与えて大きな仕事を成功させ、どんどん打ち込んでもらいましょう、という話。

・事業立ち上げ=自社内の新規事業 or 子会社として積極的に支援するケース。自分でやるよりもリソースを活用できることに魅力を感じてもらいましょう、という話。

加えて、例外的には、内定を蹴ってでも好きなことをやれよ!と応援して、社員・学生が良い関係を築いておき、別の機会を見つけて再度誘うパターンもありそうです。ただ、これは何も解決にはなっていませんが。

制約条件を無視して理想を言えば、新入社員にどんどん裁量を与えたり、1人1事業を立ち上げちゃいなよ!会社がサポートするでよ!くらいのテンションだったら素晴らしいんじゃないでしょうか。いや、分からないですけど。


…ということを考えました。そもそもサンプルが私の周りのごく少数なので、偏った話かもしれませんが。いずれにせよ、新卒一括採用 => 半年〜1年後に入社という形式では必然的に、優秀な学生のうち一定数は内定先を蹴ることになるのだと思います。

おしまい。

2014/03/22

人生をピボットする話(4)ゴールを遠くに設定する問題

【前回のあらすじ】

人生を方向転換(ピボット)するに当たり、単に過去を否定するのではなく、過去の失敗から学び、 軸足を押さえることが重要だという話をしました。今回は、その散々な失敗の1つ「リソース分散する問題」について、考え、乗り越えたいと思います。




【ゴールを遠くに設定する問題(提起)】

目標が遠方だと挫折する。少なくとも一般的な人間の場合、これは断言できる。課題達成にのみ焦点を当てると、例えば「1時間で10ページを読もう」くらいのレベルにしなければ、確実とは言えない。個々の作業を捌いて初めて前進できる。

かといって、 「1時間で10ページを読もう」だけでは、パッチワークというか、非連続的で一貫性のない、場当たり的なものになってしまう。だから大まかな道筋は常に意識しておく必要がある。

少なくとも私の場合、短期的な視点(作業モード)と長期的な視点(思索モード)は、頭のスイッチを切り替えなければならないようだ。前者なしでは何も生み出せないし、後者なしでは自分の行動に納得できない。


【ゴールを遠くに設定する問題(解決)】

ありきたりな結論になるのだけれど、長期視点(ビジョン)をベースに道程(戦略)を分割し、まずは目先の課題(作業)を処理することが最優先なのだと思う。「今出来ることを楽しもう」ということだ。

作業を終えた後、途中で気付いたこと・学んだこと・思ったことを踏まえて、ビジョン/戦略を修正する。修正された戦略に基づいて、次の短期課題に取りかかる。このフィードバックサイクルをひたすら繰り返すことで、納得のできる前進となる。


どのくらいの頻度でサイクルを回すのが(=作業の期間設定が)自分にとって望ましいのかはまだ分からない。

ただ、先日見掛けた"Web人材の教育プログラム"『enPit』の記事では、毎週プロダクトを開発して発表する決まりになっており、これを "demo or die"(動くものを作れ、さもなくば去れ)という言葉で紹介していた。

この言葉は良い。シンプルで分かりやすいので、忘れないし、迷わない。1週間という期間設定は、頑張ればギリギリ最小限のプロダクトを開発できる絶妙な時間だと思う。アウトプットが強要されることで、実力も身に付くし、成功体験に繋がる。

前回エントリーでは、全力を出せば1〜2日で終わるくらいの作業設定が望ましい(結果的に1週間程度に延長するはず)と書いたのだが、この時間感覚と整合的な設定だと思う。


もう1つの要素「アウトプットが強制されること」については、上記の例に加えて、よくIT系のスタートアップ起業が「毎週何らかの機能をリリースしている」といったルールを決めて遵守している話を聞く。これもシンプルで分かりやすい。

あるいは、定期的なブログ更新を心掛けて、報告できるように作業結果を追求するというのもアリだと思う。この人生ピボットシリーズに関しては何だかんだで毎週書いている。


【補足①】

私の大学生活を前半/後半で分けると、前半は、ビジョンと勢いだけでのめり込み(◯◯やってます!的な感じ)、後半は軌道修正して、ビジョンなしで作業処理マシーン(金さえ貰えば成果は絶対に提供します!的な感じ)だった気がする。

ステータスを極端に振っただけあって、それぞれ重視していた評価軸ではそこそこ上手いこと行っていた気がするのだけど、ビジョンなしで短期視点に終止した結果、現在、まさに違和感を拭えない状態に陥ってしまっている。

その軌道修正として、今度は長期/短期の2つの視点を行き来するための生き方に拘る段階に来たのかなーと思っています。


【補足②】

んで、「コミュ障」問題もここに繋がります。ビジョンがないから話すことも聞くこともないんですよ。相手が「力を貸してくれ」と言ってきたら、課題を分析して、解決策を示して、実行して、お金を貰う。必要となるコミュニケーションは、正確な情報のやり取りができるかどうか。あるいは、必要な情報を持っている人に助言を乞う。それだけ。

長期的な視点があったら(ただし捕われすぎていなければ)話はだいぶ変わると思っていて、短期的には不要だから能動的に得ようとしていない情報を、長期的には必要になるかもしれないから聞いておきたい、と思えるようになるのではないかなーと。こちらから話す題材もあるわけですし。

あと、よく一緒にいる人とは、普通に話せることが判明した。そりゃそうだ。なので、所属するコミュニティに対して普段から積極的に貢献する意識は持っておいた方が良いよね、という話。

これも長期視点があると、身近な関係性を大切にする気がする。なぜなら、頻繁に言葉を交わす人は、常に側で長期/短期のサイクルを見ており、第三者としてフィードバックをくれる貴重な存在だから。


【結論】

・A:自分自身のビジョン => 戦略 => 最初の作業 へと落とし込む
・B:作業で気付いた点を検証 => ビジョン/戦略 を修正する
・この A ⇔ B のフィードバックサイクルを回す。

・作業=期間/成果物を強制する自分ルールを設けると良い。
(例:毎週ブログでアウトプットを示すetc...)


・長期視点に基づいて、将来必要になりそうな情報を人から聞く
(≠自分で調べるのは直近で必要な情報のみ)
・所属コミュニティに貢献=身近な関係性を大切にする
(=> 第三者視点からのフィードバックを貰う)


つづく。

2014/03/18

人生をピボットする話(3)リソース分散する問題

【前回のあらすじ】

人生を方向転換(ピボット)するに当たり、単に過去を否定するのではなく、過去の失敗から学び、 軸足を押さえることが重要だという話をしました。今回は、その散々な失敗の1つ「リソース分散する問題」について、考え、乗り越えたいと思います。




【リソース分散する問題(提起)】

そのまんまですが、参与するプロジェクトの数が多くなると、全ての仕事を担うことが困難となります。結果、24時間365日を1つのことに費やしている人間と比較して、圧倒的に成果の質が低くなります。それどころか大半の場合、質以前に、成果を出す段階にまで辿り着けないことも少なくありません。

ここでは、時間や体力などの「個人が保有している資源」をW、参与する「n個のプロジェクト」をそれぞれP1〜Pn、各プロジェクトにおいて「処理すべき業務m個」をそれぞれP1-1からP1-mとおきます。なお、はじめから認識している業務のほかに、事前準備や関連知識の学習など、追加的に発生する業務(潜在的な業務)もm個の中に含まれます。

また、プロジェクトに振り分けるリソースをa*W、私生活に用いるリソースを(1-a)*Wとおく(ただし0<a<1)。 さらに、業務処理に費やすリソースをΔW=C(Pn-m)という費用関数で表現する。

以上のもとで、リソース分散問題(成果さえ出せないケース)は、W≦ΣΣC(Pn-m)において発生することが分かる。簡単にまとめると、自分の体力を超えた業務量には対処できないよ、ということです。


【リソース分散する問題(解決)】

この単純な数式モデルから解決策を模索するのであれば、アプローチは以下のいずれかになる。

・時間や体力などのリソース(W)を増やす。
・作業効率(C)を改善する。
・1プロジェクトあたりの作業量(Pn-m)を減らす。
・参与するプロジェクト(Pn)を減らす。

体力問題については、以前の記事(思考実験:疲労に対する根本的な解決策を考える )で分析しているので、そちらを参照。一方、体力に比べて時間は多過ぎてもやる気を削ぐことになる。いずれにせよ、リソースを広げることを意識した上で、与えられた状況での最善策を考えることが有効と言える。

作業効率については、当然ながら常に工夫する姿勢が要求される。しかし、効率化ツールや設計には、より大きな初期投資(学習コストや導入コストなど)を要求することも多い。状況によって手段や効果が変わるため、必ずしもキーポイントとはならない。日々の工夫や学習を通して、1%ずつ向上させていくたぐいのものだと私は解釈しています。

重要なのは、「段取り(=必要なことを必要な順番で処理する行動設計)」であり、それはつまり、作業の絞り込みが重要なポイントになります。必要でないことはやらない、今やるべきでないことはやらない、という姿勢が重要です。とはいえ、一見して必要に思えないことでも、やってみることで活路が開ける場面も多々あります。

したがって、最終的には、参与するプロジェクト自体を絞り込むことが重要となります。仮に数多くのプロジェクトに参与する場合は、複数人で業務を分割し、1人当たりの負担を最小化するよう勤めるべきです。ただ、チームを誘導するコーディネーターに負担が集中しがちな点に注意です。自主的に活動できる優秀なチームか、コーディネーターを明確にしたチーム設計でなければ、企画は頓挫します。

中長期的には以上の通りですが、短期的には「1度に1つのことに集中する」のがベストです。Pn-m=1(業務は1つだけ)、Pn=P1(プロジェクトも1つだけ)であれば、多少の効率の悪さ(C)や、体力の弱さ(W)は問題にならないでしょう。そうなると、いかに小さなステップに分解するか、という視点も重要です。


 【結論】

・現状のリソースの範囲内で考える
・効率よりも段取りでの取捨選択が重要
・リソース拡大 / 効率改善は日常で意識すること

・コーディネーターを明確にしてチームを組む or 自主的に動けるチームを組む
・参与プロジェクトの数、1人当たり/1プロジェクト当たりの作業量をなるべく減らす
・短期的には「1度に1つのことに集中する」ように徹底


一言でまとめると「段取り=捨てること」と「目先の集中」を意識すべし、ということ。なるべく小さく目標を設定して少しずつ処理していくという意味では、前回エントリーの話に通じるものがある。

あれもこれも…となってしまいがちなので、基本的に「No」もしくは「とりあえず◯◯だけやってみてから考えましょう」と言って、アサインされるプロジェクト・業務をなるべく小さく押さえるように意識すべし。小さすぎるくらいでいいと思います。そうしないと、世の中に広がる色々なものが面白くて、あっちもこっちも楽しくて何もできなくなってしまうのです。

それこそ1日〜2日で解決しそうなレベルまで落とし込むのです。それでも、いざ実行したら細部を修正するのに結局1週間を費やしてしまう、なんてことは十分あり得ます。最初から1週間のつもりで設計すると1ヶ月に、1ヶ月のつもりだと1年に…となってしまいがちです。だから、まずは小さく意識しておくのです。千里の道もまずは一歩から始まるわけです。



つづく。

2014/03/09

人生をピボットする話(2)迷ったら手が止まる問題

【前回のあらすじ】

人生を方向転換(ピボット)するに当たり、単に過去を否定するのではなく、過去の失敗から学び、 軸足を押さえることが重要だという話をしました。今回は、その散々な失敗の1つ「迷ったら手が止まる問題」について、考え、乗り越えたいと思います。




【迷ったら手が止まる問題(提起)】

簡単に言うと、作業中に「自分は本当にこれをやるべきなのだろうか」みたいな考えが生まれてしまって作業できなくなってしまう問題です。受験生が「この勉強法でいいのか」と不安になってついつい色々な勉強法ブログをネットサーフィンするような感じです。自分だけでも問題ですが、チームで何かをする場合、周囲の迷いも問題です。

ここでは3通りの側面があります。「作業の手が止まることが問題」、「(自分が)ビジョン自体を信じられないことが問題」、「(周囲が)ビジョンに全面納得しない=進展しないことが問題」という側面です。



----------

<作業の手が止まることが問題>

【解決策】

解決策は2通りで、「納得できるまで徹底的に悩むこと」と「焦燥を押し殺して目の前の課題をやり遂げること」です。あえて生産性の観点からのみ考えると、とにかくやり抜くことを意識すべきでしょう。

その上で、どうしても無理だと投げ出したくなったら、ハードルを下げる。数学の問題集を「1週間で100ページやり抜くぞ!」と意気込んで、それでも無理だったら、最初の10ページだけにすればいい。それも無理なら、1ページだけでもいい。

世界中の人々の生活を変えるようなアクションを起こしたいと思っても、誰も何も反応さえしてくれない。だったら、まずは身近な人の生活を素敵にできるよう試行錯誤してみればいい。それも無理なら、とにかく友だちを1日1回笑わせてみるとか。

【予防策】

予防策は「目的・行動を小さく落とし込むこと」です。上記の例のように、壮大な目標を達成できなかったとしても、小さなことなら成功確率が上がります。その小さな成功体験は、次の小さなステップを促進してくれます。

とても分かりやすい例が、制作活動です。15分の作曲は大変だけど、30秒だけ作るなら比較的簡単にできる。2時間の映画を個人撮影するのは難しいけど、1分のショートムービーなら気軽に作れる。プレイ時間50hオーバーの超大作RPGを作るには骨が折れそうだけど、お使いイベントだけなら何とかなる。そこに肉付けしたり改善したりしていって、少しずつ良いものを仕上げていけばいい。


----------

<(自分が)ビジョン自体を信じられないことが問題>

【解決策】

研究や事業やプロジェクトのビジョンであれば、そもそも何のために始めたのかという経緯を元にして判断することになります。

金儲けをしたくて仕事を始めたとして、もっと儲かるものが見つかったのであれば、そちらに変えればいいわけです。恋人に喜んでもらうために誕生日パーティーを企画したとして、その人が家族の病気を気にしているのであれば、パーティーなんか中止して、看病を手伝ってあげたほうが喜ぶわけです。

個人的なビジョン・価値観であれば、自分の願い・欲望・考えといったものと、まっすぐ向き合うしかない。人気者になりたいとか金が欲しいとかモテたいとか、あるいは栄光を得たいとか人助けをしたいとか誰かに必要とされたいとか、そういう感情を踏まえて、正確な判断ができるようになるはず。

【前提】

また、正義は常に多面的であること、一度に全てを補えないことを意識しておく必要があります。貧困国に医療サービスを届ける社会活動を行うとして、自国の医師を送り出すことは、自国の医療課題改善の観点から考えると悪手かもしれない。候補となった貧困国A・Bのうち、Aだけが採択された場合、Bにとっては不平等かもしれない。

当然ながら、そこには葛藤が生まれるだろうけれども、事業の目的とか、自分の願いとか、そういう観点から、世界を切り取らなければなりません。選ぶということであり、捨てるということでもある。ただ、一生捨てる必要はないわけです。今回は捨てるけど、次の機会があったら、ぜひそちらの正義につきたい。これはアリ。相手の恨みを買っていなければ。


----------

<(周囲が)ビジョンに全面納得しない=進展しないことが問題>

【解決策】

方向性は2通りで、「ビジョンベースで人を引き上げる」か「人ベースでビジョンを引き下げる」か。

人を引き上げる場合。人々の現状・理解状況と発起人の構想にギャップがある場合、もしくは該当コミュニティにおける最適な説得プロセスを踏まなかった場合(事前に上司の信頼を得ておくべきだった!)に、抵抗が生じます。そこで、知識や動機といった要素のうち、どこにギャップがあるのかを突き止め、解消しなくてはなりません。

ビジョンを引き下げる場合。携帯電話が開発された翌年にiPhoneを販売しても消費者は付いていけない、という状況を指します。大きな文脈での位置付けを無下にする必要はないですが、押し付けたり強調することを止めるべきです。まずは誰もが分かりやすいビジョン(どこでも電話できる!)を達成・定着した後に、より大きなビジョン(文書も送れる!写真も送れる!)へとステップアップしていくことが適切です。

【前提】

1人だけで何かが終止することは滅多にありません。そうなると「自分にとっていい」だけで話を進めると「本当にこれでいいのか?」と迷う瞬間が訪れます。そのとき、必要となるのは思索でも決断でもなく、人の言葉に耳を傾けることです。


----------



【迷ったら手が止まる問題(解決)】

・なるべく目標/期間/行動を小さく絞って設定 => とりあえずやり遂げる。
・自分の欲望を正確に把握 => 目的と合致するものを選択する。
・その期間/行動において、どの立場の正義を選んだのか意識しておく。
・周囲の言葉に耳を傾けて、人とビジョンを合致させる。

一言でまとめると「迷わないように立場を明確にする」ということ。作業の手が止まってしまうほどの、強い迷いが生じるようだったら、迷いが生じないようになるまで、しかるべき措置を取る(小さくする/方向を変える/候補を捨てる/周囲を動かす)ことが必要です。


つづく。

2014/03/01

人生をピボットする話(1)軸足

【主張】


ピボット(Pivot)とは回転の意味。例えばバスケットボールだと、片足を軸として固定し、もう片足を動かすことで向きを変える行動のこと。このとき、軸足を動かしたら反則になってしまう。

同様に、事業だとか研究だとか人生だとか、そういうものをピボット(方向転換)するとき、それまでの行いを全て捨てるのではなく、それまでの失敗を反省し、学びを活かすことで、次にパスを繋げることができるのだと思う。




【背景】


前回のエントリー更新直後のことでした。

mixi日記で荒ぶっていた時代を思い出しつつ、ブログ更新。> 切り取る世界: 思考実験:疲労に対する根本的な解決策を考える。




反省っ・・・・!
圧倒的反省っ・・・・!

考えた通りに生きるか…。依頼に基づいて動く、つまりビジョンを他人に委ねるってのは楽なんだよね。迷わずに業務を処理できるから。へらへらしてれば楽しいですし。でも、まぁ、ちょっと物足りないよね、とも思います。バングラ時代に比べて。

私には、迷ったら手が止まるという致命的な弱点があったことと、リソース分散する悪癖と、ゴールを遠くに設定する悪癖と、あとコミュ障すぎて、色々と悲惨な失敗もしてきたわけだが……改めて考えると、ひどいなこれ。

失敗したならそこから学ぶしかないよね。迷わないように立場を明確にすべきだし、目標は細分化すべきだし、一度に一つのことに集中すべき。考えた通りに生きられなかった自分を正当化するのは、優しいことだけど、卑怯でもある。

というわけで、沖縄でリセットというか人生をピボットしてきます。あー、気合い入ってきたぞー。

【補足】


多くの失敗や学びは、けして自分だけのものではなくて、誰もが経験していることだったりする。自分自身が実際に体験することで、心に深く刻まれ、学びとなることはメリットだと言える。しかし、既に知られている問題に対して「車輪の再発明」をすることが望ましいとは思わない。

だから、過去に同じ道を歩いた人々の言葉に耳を傾けることが有益になる。例えば、本を読んだり、助言を乞うたり。とはいえ、他人の話だけを延々と聞いていても、何も始まらない。だから最終的には、自分で自分の弱さと向き合うこと、もしくは、弱さを回避して目的を達成する方法に辿り着くことが、大事なのかもしれない。

そんなこんなで、私も少し自分の人生をピボットしようと思う。片足を踏み出す前に、まずは軸足を安定させたいと思う。


続く。多分。