2013/04/23

教科書を3度読むということ。

少し前に「東大生がやっている勉強法」という記事がWeb上に投稿され、反響を呼んだ。
具体的には、教科書は3回繰り返して読め!という内容だった。

このエントリーに対して、ある批判が寄せられた。
「この勉強法は、もともと要領の良い人間にしか役に立たない」
「3回読んだだけでマスターできる頭脳の持ち主だからだろ」
といった内容だ。この意見はあながち間違いではないだろう。

ただ、要領を良くする方法、というものがある。
何となく3回流し読みするだけでは(多くの人は)身に付くとは思えない。
つまり、3回それぞれの目的に見合った読み方が要求されるのではないだろうか。

そこで、今日は「教科書を3回読むときの方法論」について考えたい。


大村・楠美『ファイナンスの基礎』きんざい(2012)の冒頭を見てみよう。
MBAのファイナンス論のテキストとして編集された書籍だ。
この書籍では3段階に分けて読み込むように勧めている。


第1段階:最小限の理解

細かい数式展開などは無視して大意・文脈を掴むステージ。
(地歴公民で言えば、専門用語や補論部分が該当するだろうか)

特に、予備知識のない分野を新たに学習する場合には重要なステップとなる。
そのテキストが難しすぎるのであれば、入門書や平易な読み物を探すと良い。
(個人的にはWikipediaの体系的な記事は全体像を把握するのに役立つのでお勧め)

この段階で嫌気がさした人は、嫌気が抜けるまで放置するのも良い。
焦ってアレルギーになってしまうほうが望ましくない、と著者は言う。


第2段階:理解の確認

数式を丁寧に追いながら、文章内容を理解できているか確認するステージ。
電車の中では難しいので鉛筆を持って机の上で取り組む方が良い、という段階。

飛ばされている行間も自分で埋めて行く心づもりが推奨されている。
(数学・物理・化学・生物は多かれ少なかれ該当するのではないか)
(地歴公民ならノートにまとめる段階?)
(語学なら章末の練習問題を実際に解く段階?)


第3段階:基礎知識のマスターレベル

気になっていた定理・公式・証明(所与としたもの)にも目を向ける。
(地歴公民なら専門用語のマニアックな背景知識などが該当?)
(物理・化学ならまだ解いていなかった応用問題とか?)

ここまで来ると自主的に取り組めるようになっている。
文章や図解、数式も見慣れたものになっている。
つまり、基本的な知識については定着している状態と言える。


…とのことです。
この1−3段階に合わせる形で3回読めば効果的なはず!

言われてみれば当たり前な内容ではあります。
しかし、これを徹底できるかどうかが重要ではないでしょうか。
欲張って一気にやろうとしても尻窄みになってしまうかもしれない。
1つ意識しておく言葉があるとすれば「困難は分割せよ」だと思います。

おわり。

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