2012/04/22

教授陣のお言葉 Final Mix

新年度ならではのお話を伺う機会が多かったので、前回エントリーに引き続き、教授陣のありがた〜いお言葉をメモしておこうと思います。




【英語編】

お言葉①:退屈な授業への対処法



どんな授業でも自分の心ひとつで有意義になる!とよく聞きます。その通りだと思う。とは言っても、退屈な授業というのはあるもので。基本的に、退屈な授業にはいくつかのパターンがあります。教授の話し方、板書の仕方、難しすぎる、簡単すぎる…といった具合に。

声が聞こえない・板書が見えないときには、前の席に座ればいい。話や板書が早すぎるときには、予習して先に理解しておけばポイントを抑えて授業について行ける。難易度が自分にとって高すぎるのであれば、しっかりと復習をしたり、必要に応じて知識不足を補うような勉強をすればいい。スピードでも難易度でも、自分<授業のときは自分自身を引き上げればいいので解決策を考えるのはそこまで難しくない(実行は楽ではない)。

問題は授業<自分のパターン。話が遅い、問題が簡単すぎる。こういうときには「寝る」「帰る」「内職」というのが定番パターンでしょう。色々な意見はあると思うけど、私個人はこれでもいいと思います。その時間がもったいないと感じてしまうのはやむを得ないかと。

ここで教授の言葉。

「ある優秀な学生がいて、その人は絶対に授業をサボらない人だった。授業中に、授業と無関係なことをするなんてことは一度もなかった。そこで聞いてみた。『そうは言っても退屈な授業というのはあるだろう、そういうときはどうしているんだ』と。するとその人はこう言ったんだ。『その場で英語に訳しています』って。これは驚いた。退屈な授業というのは先生の話が遅いから英語に直して聞くとちょうどいいスピードになるらしいよ。というわけで私の授業が退屈だったらぜひやってみて下さい。」

この言葉は結構なイノベーションでした。確かに退屈な授業を120%活かせる方法ですね。全然思いつかなかった。復習時間を設けるまでもなく内容の定着に繋がるし、他に英語学習のための時間を取ることなく英語の実践機会を得ることになるのだからナイスすぎる。

退屈な授業への対処法

 ① 寝る
 ② 帰る
 ③ 内職
 ④ その場で英訳する ←new!!

ちなみにこの話をしてくれた方の授業は死ぬほど退屈だったので早速実践してみました。スピード的には丁度良い感じです。情報量の多い時間と少ない時間(雑談や解説繰り返しタイム)の差が激しいので、新しい情報が追加されたときに少々忙しくなりますが、まぁその程度です。かなり有意義な授業になったと思いますw

問題は語彙。専門用語はとっさに出てこないです。例えば「xで偏微分する」と言われたときに「微分の頭文字は多分Dだと思う(計算式でdxとか書くから)」と思いつくものの、そこでストップします(微分:differentiate)。あまりにもテクニカルタームが多くて心が折れました。難点はそこだけなので、次からは電子辞書を装備して行こうと思います。

英語はできて損になることはないでしょうし、工夫次第で何でもできるってことですね、はい。




お言葉②:英語のテキストを使った方が良い


学部上級(科目によっては大学院中級)レベルになると英語のテキストも増えてくる。中には1冊2万円近くするものもあるので、さすがに購入できずに図書館を活用することになるわけです。資料を配布してくれる場合はそれを見れば良いのですが、たまにテキスト学習を前提として授業を組む教授がいるのが腹立たしいわけです。

そんな中で比較的学生に優しい教授が、それでも英語テキストを購入した方がいい理由について語ってくれました。日本語版で対応している書籍も少なくない。図書館で借りれば済むことも多い。それでも英語テキストでなければならないのは以下の理由によるそうです。

「1つ目は、より専門性の高い学習への準備。特に経済学の場合は最先端の研究が英語で行われているので、イヤでも英語の文献・データを扱うことになる。普段から英語で経済学の基本を学ぶことに慣れていれば、応用的な内容にも十分に対応できる。その手の文章は言語に関係なく(日本語でも)難解なので、基本的な概念の英語表記に抵抗があるような状態では論外だ」

「2つ目は、新規性・網羅性。同じテキストであっても、日本語版の方が少し後に出版されることになる。特に困るのが2008年以降の本について。金融危機の前と後で、議論の文脈や利用されるデータが大きく異なっている分野がある。原著では対応していても、日本語版がまだ間に合っていないものが見受けられる。また、翻訳時に練習問題が割愛されたり章立てが変更されているケースが多い。多くの場合その割愛・変更は改悪だ」

「3つ目は、使い勝手。日本語版だと上・下2冊に分けられていることが多いが、英語版は1冊で済む。地味な点だが2冊に分割されると使いにくい。また、図書館の本と違って自分で購入すれば書き込むことができる。安心して使い倒せるというのは大きい」

「4つ目は、モチベーション。英語の本で勉強している、というのはそれだけで学習のモチベーションに繋がる。普段から持ち歩くといい。友人に尋ねられたら、自信満々にそれで勉強していると言えばいい。すると今度は内容について説明できるようにならなければいけない。君は死に物狂いで勉強するようになるだろう。その勉強が君に与えるものは大きい」

「5つ目は、自信。たとえ授業の補助があったとしても、たとえ見栄が動機だったとしても、分厚い英語の教科書を1冊読み抜いたという経験は、確固たる自信をもたらすことになる。すると不思議なことに2冊目3冊目はグイグイと読めるようになる。学生のうちに1冊でも読み抜いたという人は多くない。その経験と自信は、武器にはなっても重荷になることはない」

「6つ目は、親孝行。高い金を出して一流大学に通わせてもらっているのだから、あなたの息子・娘は英語の教科書を使って勉強するくらい優秀になりましたと見せつけてあげなさい。口に出す必要はない。ただ、偶然を装って目につくところにでも置いておけばいい。下らないことのように感じるかもしれないが、昔は大学に行く人自体が少なかったのだし、どんなことであっても、親にとって、子の成長は嬉しいものだ」

というわけです。

なんというか、どこかで聞いたような言葉だらけですが、改めて言われるとなるほど〜とは思います。教授自身が研究生活の中で実感してきたからですかね、言葉に重みがありました。




【専門分野編】

お言葉③:経済学の視点が不可欠な時代


環境経済学の授業でぼそっと教授がこぼした言葉が、なんというか、まぁその通りだなと。

「環境問題に関する活動をしているとね、たまにいるんですよ。『自然を保護するのに経済学とは何事だ、お金なんて不謹慎だ』という人が。だけどじゃあなぜ環境問題が起きたのかと考えて下さい。CO2輩出の原因となる石油・石炭を大量に利用するようになったのは産業革命。森林を伐採するようになったのは土地利用の機会費用。結局は経済の問題に行き着くんですよ。環境問題はなんとなく起きているわけじゃない。強大なメカニズムの下、必然的な構造を伴って生じているんだ。だから解決するためには社会科学の知見が絶対に必要なのです。」

「そして、経済学を否定する人に限ってこう言う。『"善意"や"倫理"で解決しましょう』と。年間500万ha以上の森林が減少している一方で、道に落ちている空き缶を拾うのは10人に1人もいませんよ。どうやって解決するんですか。『多くの人に環境問題を知ってもらう』とも言いますね。いまでは誰もが地球温暖化を知っていますよ。知ってもらって解決しましたか。確かに以前に比べればだいぶ良くなったかもしれない。しかしそれは認知を通して環境配慮製品が優先されるようになったり、京都議定書のような枠組みが採択されるようになったからです。つまり、経済システム内での動きが人為的にシフトしてきたからなのです」

ごめん。やや誇張して書いているかもしれません。いかんせん記憶だけが頼りなもので。でもまぁこんな感じの内容でした。

経済学という学問はかなり応用範囲の広い学問です。解決したい問題の構造を分析して、なるべく単純なモデルに表現して、解決するための方法を挙げて、その効果を推計する。一連の分析を通して得られた最適な解決方法を実行に移すことになる。この枠組みの下では、環境問題でも貧困問題でも分析対象になり得ます。これまで全く問題視されていなかったものでも、やろうと思えば応用できるはずです。

お金に関しては、現代社会ではほぼ必然的に財務問題が生じることになりますし、仮に金銭が重要な変数ではなかった場合、経済学の考え方をまったく異なる議題に当てはめることもできます。例えば、恋愛について制約条件(時間・行動)の下でいかに効用(好感度)を最大化するか…って企業の利潤最大化行動を拡大解釈するのも面白い。思考のフレームワークとして強力なツールになりうると思うのです。

いずれにせよ、マクロでもミクロでも問題だらけの時代です。一般化して労働問題を考えるときでも、個人としての就活(そして背後にあるキャリア問題)を考えるときでも「こうすれば全部解決!」なんて都合の良い答えが用意されてるわけではありません。問題をどう捉え、どう対処するかを考えるときに経済学という視点が大事なのではないかと。

これは2年くらい前から私も言い続けていることですが改めて。




お言葉④:定量的な話をしよう


これはもう、教授のプリントをそのままコピペ。

「計測なき理論」:宗教と同じ
「理論なき計測」:同じことを繰り返すだけで何の知見も得られない

これがすべて。何を考えるにあたっても定量的な情報は絶対に不可欠だという話です。先ほどの環境問題の話なんかまさにそうですが、ここでは募金の例を挙げてみたいと思います。

例えば、1万人が1000円ずつ募金して集めた1000万円と、企業10社が100万円ずつ募金するのとではどう違うでしょう。少なくとも、集まる金額は同じです。こういうときにポイントになるのは「評価軸」と「その数値」ですよね。仮に、これが希少疾患の患者を救うための募金だとしましょう。

その病気の認知度を挙げることに重点を置くのであれば、より多くの人を巻き込むために1万人をターゲットとした戦略を打つべきでしょう。そしてアンケートを実施して「新しくこの病気を知りました」と答えた人の数、あるいはその病気を解説するホームページへのアクセス数の推移、ネット上でその病名が投稿された数の推移といったデータを見て、本当に認知度が上がったのか、上がったとしたらそれはどの程度かを測定することができます。もし思うように上がらなければ、どうやったら話題に上がりやすいかといった具体的な課題の考察に繋げることができます。

あるいは1万人も待てる状態ではない、一刻でも早く治療したいというのであれば、普段からNGO・NPOに積極的に寄付している会社や、病気・薬品に関するCSRで話題を作りたい会社に話を持ちかけることもできるでしょう。迅速な意思決定のおかげで助かりましたという被援助側のコメント、これからも色んな形で病気に苦しむ人を救いたいという会社側のコメントがあれば企業イメージのアップはハンパないんじゃないか。そういう仮説を立てた後に、では実際に企業が寄付をするのはどういう状況か、景気・株価の影響はあるか、財務状態は関係しているか、といった点はデータを見て研究しないと分からないですよね。

いずれにせよ、何かを考えると必ず「それって本当?」と思う場面にブチ当たります(ブチ当たらないのであれば、それは本気で考えていない証拠です)。そのときに本当かどうか、それがどの程度なのかを見極めるには定量的な議論が不可欠なのです。

というわけで、そういう思考・学習を意識したいなぁという話。




【受講編】

⑤全体像を掴みながら考えろ



当たり前と言えば当たり前だけど意外と難しいのがこれ。言葉をそのまま引用すると誰の発言なのか分かる人には分かってしまうかw

「常に全体像を考えなければならない。ダメなヤツは、人が話しているのをぼけーっと聞いているか、どうでもいいところまで事細かに書き留めようとする。何が大事なのか分かっていない証拠だな。さっき今日の授業のアウトラインを話したんだから、注意深いやつはしっかりメモしてるし、ダメなやつは何も聴いてないか、その後のどうでもいい雑談(教授が財政の話してたけど本題ではない)ばっか気を取られているんだこれが」

「自分自身で考えながら講義を聴いて話をまとめなさい。ダメなヤツに限って他のヤツのノートを見ようとする。そんなことしたってそいつもダメなケースが多いから共倒れになるんだ。そもそも自分で考えながらまとめないで、他のヤツのまとめなんか見たって理解できるわけがない。よっぽど優秀なヤツのノートなら話は別だが、優秀なヤツのために言っておくと、ダメなヤツは授業中うるさいから離れるようにしなさい。」

まぁこんなニュアンスのことを言って炎上してましたね。

言い分はともかく、授業中に話の要点をまとめながら聴講しなければならない授業スタイル(終了時にそのレポートを提出)は結構勉強になっています。読書の要約で3行くらいにまとめるのは得意な方だと自負していたのですが、各項目の各ポイントを明確に抑えて構造+内容を示せるか…と言われると不十分で、それはつまり情報処理能力を向上させる余地があると痛感した次第であります。なのでWEB上に限ると、今後は書籍レビューなんかも積極的にできたらいいなぁと思いつつ、とりあえずtwitterでのURL付きツイートは質を高めるよう意識し始めました。

それと海外の院に進学する友人と飲んでて話にあがった「ノートの取り方」についてもここで。多くの場合、講師の話を一言一句逃がすまいとノートに書きなぐる人は、あまり理解度が高くないです。また、奇麗なノートのデザインにこだわる人も同じです。なぜかというと意識がノートにだけ向かってしまっているからです。あくまでも目的は学習内容の理解なので、ノートやメモを多少犠牲にしてでもその場で理解するように心掛けるべきです。というか、きちんと理解すればどこをメモすべきなのか余裕を持って判断できるようになるはずです。単語なら参考書籍やグーグル先生で調べられるし、計算式は後できちんと計算すればいいし、わざわざ急ぐ必要はないわけで。すぐに理解できないって方は予習するなり賢い友人に補講してもらうなり、初学者向けの本を読めばいいと思います。

当たり前のようで難しい「全体像の意識」「情報の取捨選択」はいくら強調してもしすぎることはないポイントでしょう。




⑥予習・復習を大事にせよ


これも当たり前。教授はすごい人なんだけど、ぶっちゃけ何言ってるかよく分からない(大意は読み取れるw)人なので言葉は割愛です。とりあえず自分で勉強しろって言ってました。うーん、twitterや記事を読む限り相当すごい人なんだけどな。笑

でも、私はあまり授業外時間を取りたくない人間なので、なるべく授業内で予習・復習できるような仕組みを日々考えています。あと議論が拡散するようで申し訳ないけど「予習(理解する+分からない部分を明確化)」「授業(理解を深める+知識を整理)」「復習(分からなかった部分を調べる+知識を定着させる)」ってこれ前半か後半の2つで十分じゃね?というのが自論です。理解して定着すればええやん。でもその2ステップを独学でカバーするのは意外と大変なので、そのうちの片方だけ授業に任せればいいと思うのです。予めテキストを読んでおいて教授の言葉で復習か、授業で理解して自主的に演習か。

どちらかというと予習・復習が大事なのはビジネスとかの実務ですかね。準備・本番・フィードバック。これは確かにどれも大事ですね。本番を上手くやり遂げるには絶対に先の想定と準備が不可欠だし、本番中の集中力と機転が結果に直結するし、その取り組み自体で終止するわけではないので後片付けを上手くこなさなければならないし、何より次により良い成果を挙げるためにはフィードバックが大事。優秀な人ほどこのサイクルが顕著なのではないでしょうか。

そう考えると、何かを120%マスターする、何かを120%活用するに当たって、予習・復習のサイクルをどれだけ継続できるか…これが程度を測る良い指標になりそうな気がします。

んでちょっと思ったのですが、良い専門書ってこの予習・復習がやりやすいように構成されているんですよね。例えば初学者向けのマンキュー経済学では、ポイントを抑えてある部分を読めばそのトピックの概要が分かるし、章末の問題を解けば復習ができる。こういうちょっとした工夫が良書と呼ばれるゆえんではないかと。

逆に言えば、良書でなくても読者がこのサイクルをまわすことで大きな学習を得られるのではないか、というのが私の最近の意見です。よく非難の的になる(つーか私もよく非難するけど)ハウツー本や自己啓発本なんかも、きちんと復習すればかなり有益だと思います。問題なのは読みやすいため30分-1時間で読めて満足して終わってしまうって点だと思うんですよ。だから例えば『人生がときめく魔法の片付け』という本を読んだら、そこに書いてある片付けを実行してみる。『米財務省に学ぶわかりやすいプレゼン資料のテクニック』というネット記事を見かけたら、プレゼンの機会を得るたびに目を通すようにする。

情報が流れやすい時代だからこそ、これぞってものを1つ決めたら徹底的に吸収するクセをつけた方がいいんじゃないかなーというお話でした。




こんな感じです。剣道の師匠の言葉とかもあったりしますが、それらはまた別の機会に。

てなわけで、前回のお言葉と合わせてFinal Mixということでした〜。春だからね。良い言葉が溢れる季節だよね。この気持ちを大事にしないとね。GW過ぎたあたりにもう一度読みたいね、うん。

じゃあのノシ

2012/04/09

教授の言葉 "学生が注意すべきポイント3つ"

研究会での教授の言葉がなかなか刺さったのでメモしておく。
春だからね。初心の気持ちを大切にしたいのです。




まず最初に説明しておくと、私が所属している研究会では、学生が株価・為替・国債利回りといった経済指標の現状と要因を調べて報告していきます。なので "学生による発表" が行われることを前提とした内容になっております。

そして、発表や授業参加に対して "学生にはこういう点に注意して頑張ってほしい" というポイントを3つ挙げてもらいました。その注意点というのが「言われれば当たり前のことなんだけどなかなかできないこと」ばかりだったので、普段から意識して行動するようにしたいと思います。




①3分で説明せよ



発表の場ではポイントを抑えて3分で説明できるようでなければならない。そのためには内容をしっかりと理解していなければならない。しっかりとした会議の場だと、それ以上長い言葉は誰も聞いてくれない。シンプルにまとめて分かりやすく話すべし。

また「あー」「えーっと」もアウト。自分が話す内容・順序は把握しておく。即座に相手の質問・意見のポイントを理解する。その場その場で頭をフル回転させて、適切な言葉を選び、明瞭な声で話すようにしなければならない。



補足。
ややテクニカルで具体的な話になるが、発表が上手だなと感じた先輩の特徴。

・「聞き手は資料のどこをどう見ながら話を聞けば良いのか」をしっかりと明示してくれる。◯◯ページの下のほうにあるグラフの◯◯な折れ線に注目して下さい…的な。自分が説明するための流れではなく、相手が理解するための流れが前面に押し出されている。意外とこういう発表は少ない。発表すること自体が目的ではなく、聞き手に話を理解させることが重要だってことを意識したい。

・発表としては不必要だけど、聞き手にとってはあると嬉しいデータを添付してくれる。例えば、本来であればヨーロッパの経済データだけ載せれば議題を説明するのに十分であっても、アジア・アメリカのデータも載せることで比較が容易になり、ヨーロッパの状況が他の地域と比べても特徴的だと一目で分かる。あるいは、知識不足の後輩向けに、議題となる経済問題の構造・経済理論の性質が直感的に理解できるようなグラフ・図を載せているパターン。

・資料の「結果部分」と「説明部分」を組み合わせてシンプルにまとめて話してくれる。配布された資料では、要点が書かれている部分とは別に、補足資料が添付されていた。要点部分は後から読み返したときに、あぁこの話ね、と思い出せる程度で、授業の復習を想定すると丁度良いくらい。なので補足資料で説明を読まなければ、いきなり内容を理解するのは難しい。ところが、説明部分を声に出して読むとダラダラしてしまう。上手だったのが、結果部分に対して最も大きな要因となっているポイントだけを付け加えて簡潔に話すパターン。内容を理解して必要部分だけを取捨選択していた。臨機応変にこれができると、持っている知識・踏んで来た場数が違うな〜と感心させられる。




②+αを提供せよ



発表も仕事も同じだが、常に自分ならではのプラスアルファを生み出せる人間になるよう努めなければいけない。同じことをやるだけなら他の誰にでもできる。そうではなく、自分だからこそという付加価値を提供しなければならない。


具体的には以下の手順を踏むことになる。
理解しやすいよう会社での仕事を例とする。

・上司から仕事を与えられたら「何を自分に期待しているのか」を100%理解する。つまり、まず仕事内容と目的を把握するということ。

・ミッションを100%でクリアする。期待された通りに、与えられた仕事をこなして、仕事の目的が達成されるようにする。このときに不備があるようでは論外。きちんと100%実行できて初めて一人前となる。

・さらに上司が気付かなかった点まで汲み取って業務を遂行する。仕事の目的と業務内容の情報から、付け加えるべき+αを見つける。それを加えた上で上司に報告できれば、優秀な人間として一目置かれることになる。

※この+αの分析方法・見つけ方・付加価値があることで、"誰がやっても同じ仕事" から "この人に任せたことで上手くいった仕事" ということになる。




③継続は力なり


授業への参加はもちろん、他の人が担当となっている部分の勉強・リサーチであっても自主的に継続した方がいい。仕事であればどんなにイヤなものであってもとにかく続けた方がいい。なぜなら "やめた瞬間に成長のチャンスを失うから" である。

例えば授業で言うと、毎週やることはそこまで変わらない。しかし「①3分で説明」「②+αを提供」といったことを考えながら参加すると卒業時には最初に比べて大きく成長しているはずだ。仮にそういったことを意識しなかったとしても、普段からそうした環境に触れることで学びはあるだろう。しかし、参加しなくなった瞬間、成長するチャンスは0になる。



本当は①と②だけ“重要な2点”ということで話をされたのですが、その後ちょろっと聞いたこの③の話題が、実は結構重要なんじゃないかなと思ったのでメモしました。

始めたことを継続するというのは、当たり前なようでいてめちゃめちゃ難しいことだと思います。特に、すぐに成果が出ないものや、どうしてもマイナス面ばかり目が行ってしまいがちなものというのは、気付くとやめる言い訳ばかり考えてしまうものです。

補足。具体例として挙げていただいた卒業生のエピソードを引用します。地方の銀行に飛ばされて何年かは下で働いていたものの、経済指標の分析ノートは毎日欠かさずつけていました。これが偶然上司の目に留まり、他の社員にも教えてやってくれということで勉強会を担うことになったようです。結果、活躍して今では結構な立場になったとか。ありがちと言えばありがちな話ですが、それを実行するのは簡単ではないだろうな〜。




以上、大事なポイント3点。

どれも多分当たり前なことなのだと思う。ただ、当たり前を当たり前にするのが案外難しい。とはいえ、能力・才能・貧富といった要素に関係なく、やろうと思えば誰にでもできることばかりです。

できることなら少しでも早いうちにこういったポイントを抑えて行動できる人間になりたいな〜と思う次第であります。

2012/04/08

自分のblogを批判してみる

前回の記事を読み直して思ったことをまとめてみる。
批判能力は自分自身に向けてこそ有意義だと思うのです。



追記でも書いたけど、前回のエントリーは
  ①ラングリッチ紹介
  ②価格競争の話
  ③怠け者に向いてるね

という3段落に分けられる。

このうち、紹介部分は探せばいくらでも他の方が紹介しているわけで。簡単な説明だけ一言添えてあとは「このURLを参照してね」で十分なんじゃないかと。また、価格競争の話は必要性ない。抽選落ちたんです〜、てへ〜、みたいな感じがして読んでいて不快。



結局言いたかったことは何かと言うと「今回のキャンペーンは(私みたいな)サボり屋にとって良い機会だ」ってことだと思う。だけど中途半端に一般化して語っているから、読んでいて非常にウザい。簡潔にこの部分だけを強調すれば良かった。あるいはサボり屋にありがちなリスクとその対策を列挙することで実用的な部分を掘り下げても良いはずだった。

そうすれば必然的にタイトルは「ラングリッチの4月キャンペーンはサボり魔向け」とか「怠け者がラングリッチの4月キャンペーンを120%活用する方法を考えてみた」とかそんな感じになるはず。抽象的なタイトルやミスリードなタイトルは、タイトルとして機能していない。あとウザい。

全体的に、ウザい。価値観が180度ひっくり返るような新発見があるわけでもない、何度もチェックしたくなる実用性があるわけでもない。つまるところ、この書き手の他の記事を読みたいとは思わない。改善点は上に述べた通り。



この失敗を繰り返さない仕組みを考えてみようと思う。勢いに任せて適当に書いて、後で読んで後悔している。つまり公開前にきちんと咀嚼する時間が必要なわけだ。具体的には書いたら一晩寝かせて翌朝読んでから公開するとか、友人にフィードバックをもらってから公開するとか。どこかで批判タイムを設けると良いのかも。ただ、そうなると完璧主義に陥って結局公開できずに終わる恐れがあるのでバンバン公開しつつフィードバックを取るのがいいかもね。

それと「削る」ってことを意識した方が良い。ダメなヤツほど無駄な現実逃避で時間を稼ぐ、無駄な文章で字数を稼ぐ。もっとシンプルに。本当にやるべきこと・やりたいことは何か?本当に伝えたいことは何か?3分で的確に説明できるか?…こういう視点で読み直すといいのかも。

まとめると"フィードバック機会を得る" "シンプルにできないか考えながら読み直し"の2点が重要だと。結論はありきたりでしたが、こんなに単純で当たり前なことがホントは1番見失いがちだからね。体験しないと学ばないですからね、はい。

おわり。

2012/04/05

ラングリッチが割と神がかってる気がした

ビジネスとしてなかなか素敵だなと思ったのでメモ。
ちなみに私がレアジョブでインターンしてたのは内緒。


キャンペーン内容はこちら

「30日間英語学習チャレンジ」 -- Twitter上でワイワイガヤガヤと切磋琢磨しながら英語学習の習慣を身につけたい人のための企画
http://blog.langrich.com/2012/04/03/lr30days/



Skype英会話とはなんぞや

ラングリッチとは、skypeを利用してオンライン英会話ができるサービスの1つです。賃金が安いフィリピン人講師を採用しているので1回当たりの授業料は格安になります。ちなみに私もフィリピンに短期留学していましたが、向こうは英語が公用語なので発音も奇麗です。ただ、ネットインフラの面では日本ほどしっかりしていないのでskypeが繋がりにくいといったトラブルはどうしても生じてしまうようです。


んで、体験談やらblogやらを読んで感じたskype英会話サービスの魅力は

・安い(毎日やれば25分で150円弱)
・習慣化できる(コツコツやるので実力が上がる)
・会話の経験を積むことができる(独学できないからね)
・モチベーションになる(文法や資格勉強と相乗効果)

といったところでしょうか。「語学って重要性は理解していてもコツコツ続けるのがなかなか難しいんですよね。普段そこまで使うわけでもないし」という問題点を解決してくれるサービスなんですね、はい。


マイナス面としては

・講師の質がピンキリ
・ネットの安定性が微妙
・時間が指定されている
(特にレアジョブは夕方〜夜だけなので学生にはキツい)

といったところでしょうか。人気講師の争奪戦みたいになったり、skypeが繋がらずに振替授業とかになると手続きが面倒くさすぎるので、英会話スクールに行った方がいいんじゃないかと思えます。現状だと、ある程度慣れている人や基礎力ある人が武者修行みたいな感じで使うのが一番適しているシステムな気がする。

正直、予約画面で講師を選ぶのがもう面倒臭い。講師のタイプ・専門別に上手いことグループ別けするとか、生徒の学習目的・レベル別に上手いことマッチングしてくれたら最高だけど欲張りすぎですかね。コツコツやるのが大事なのだから、なるべく気を使うシーン(登録とか手続きとか)は最小限に減らしてほしいなーなんて。

まぁ、私も3回しかやったことないですけど!←



マーケティングの話

んで本題。結構面白いのが、skype英会話サービスのマーケティング。これが教科書的というか、戦略の狙いやビジョンがシンプルで見えやすいんですよ。

例えば、以前レアジョブとラングリッチは、ほぼ同じタイミングで「レビュアー」みたいなのをtwitterで募集していました。抽選に通れば無料で授業を受けられる代わりに、体験談をblogやtwitterで流して行く…みたいな。応募方法は特定のハッシュタグをつけてツイートするだけ。

こうすることで

・応募のためにツイート→そのフォロワーも認知
・体験談や学習風景がネット上に可視化される→話題が目立ちやすくなる→ユーザーが増える
・無料期間をしっかりと活用した努力家→無料期間が過ぎても継続=そのまま顧客に

っていう典型的な手法ですよね。

でもこれ、2社が無料期間を伸ばしたりして事実上価格競争になると泥沼化するからサービスの差別化で戦うしかないんだよなーと、ミクロ経済学の教科書片手に考えたり。こういった戦略は色々と研究題材にしやすいんじゃないかな。ただ個人的にはあまり好きではなかったです。なぜなら私は抽選に外れたから。

・もともとSNSを活用している人=skype英会話を既に認知&好評価
・抽選に申し込んだ人=どうせなら無料でやりたいな
・抽選に当たった人=これを機に始めようと努力

ここまではいいっすよ。でも抽選に外れた人に対するインセンティブが皆無なんですよねこれ。抽選に外れたけどこれを機に始めよう…って思う人がいたとしても、むしろ出ばなをくじかれた気分になる人の方が多いのではないかな。本当に実力が伸びるのは前者だ!みたいに言われたら全くもってその通りなんですが。

この“レビュアー”のキャンペーンに限らず、ビジネスってそういうところありますよね。会社の目的達成で、一部の顧客は利益を得るのだけど、別の人・環境には「なんやねん」って感じの。むしろそのマイナス部分を上手く活かせたら素敵なキャンペーンになるのではないかと思うのです。



ようやく本題

そこで今回のキャンペーンですよ。

「新規登録者は1ヶ月分が無料になる」とのこと。いくつか条件があって、ポイントは「1ヶ月のうち20日以上授業を受けること」でしょう。つまりコツコツやったら無料。サボったら有料。

これを機にやってみようかな
→面倒になってきた
→授業受けずに金払うのだけは勘弁
→頑張って英会話にチャレンジ
→コツコツやっているうちに楽しくなってくる
→忙しい4月でこれを達成できたら確実にそれ以降も受講できる

ってことですよね。ちなみに面倒になってこない方は多分キャンペーンがあってもなくても順調に学べると思うので、議題にする必要もないというか。

ちなみに、これで続かなければ、よっぽど新年度の始めで忙しかったか(新社会人の方とか)、そもそもskype英会話に合っていないかのどちらかでしょう。興味があるけど、自分に合うかなーと悩んでいる人には見極める機会になるんじゃないかな。まぁ、それが私のことなんですが。

抽選と違って明確に条件を示されると後は自分が頑張るだけなので比較的良い感じかなと。何より、誰にも損失がないナイスなキャンペーンなんじゃないかと思うのです。

・継続できた人→来月以降も継続=顧客
・継続できない人→その月の授業料

ってな感じで企業側に確実にお金が流れるようになっているし、継続できた人にとってはもちろんこれを機に習慣化できたわけだから本来の目的である英語学習にはプラスなわけだし、継続できなかった人は“マイナス分”を意識した上でできなかったのだから別の部分に問題があることを認識できる機会になるんじゃないかと。

この"マイナス分"を明確に意識させるってのが割と神がかってると思うのです。ソーシャルゲームでの課金や煙草代、パチンコ代みたく気付くと消えていたっていうのは少々卑怯かなと。まぁ、物は言いようですけどね。でもその"マイナス分"を意識させることで顧客の行動を促し、その結果として語学力の向上に繋がり、その結果として顧客との関係が永続的なものとなり、その結果として企業が利益を得る。これって割と理想的なビジネスの在り方なんじゃないかなーと思うのです。

というわけでラングリッチ始めるかな。



追記

自分の活動を公開できる段階になるまで、適当に話題見つけてblog更新していこうと決めたけど…気付いた、長いわこれ。最初のラングリッチ紹介は適当に紹介記事URI貼付けて、中央の価格競争のところ削除。これで10分で終わらせるのが正解やな。

てか

* その日の勉強が終わったら #30日間英語学習チャレンジ というハッシュタグを使ってTwitterにその日学習した内容を投稿してください。※この投稿は毎日必ず投稿する必要はありませんが、出来る限り投稿してください。

これは割とだるい。

人が見てないときに頑張って後でドヤ顔するのが好きなので、自分の行動をSNSに載せたくないのです。というかtwitterも使い方を変えようかな。よし。次のエントリーでtwitterの使い方を整理してみよう。