2014/04/05

Value Proposition Canvasとは何か

日本語の情報が少ないようなので、自分用メモを兼ねて「サービスを使う人の視点から問題を考える」際のツールの1つをご紹介します。ユーザーインタビュー、広義のUX(ユーザー体験)、顧客開発、Design Thinkingといった類いの話。



Value Proposition Canvasとは何か。

結論から示すと、以下の図がValue Proposition Canvas(バリュー・プロポジション・キャンバス)です。右側に対象となるユーザーを、左側に提案ソリューションを設けます。

◯簡略図

the image of value proposition canvas


※きちんとしたファイル(PDF注意) http://www.businessmodelgeneration.com/downloads/value_proposition_canvas.pdf

右側:ユーザーの行動と、その良い点、悪い点をまとめます。
左側:ソリューションの内容と、既存の行動の良い点・悪い点をどのように置き換えるのかをまとめます。

前提として、新しい製品・サービスとは、既存の行動を置き換えるものだという点に注意してください。オンライン英会話が人気になったのは、既存の英会話学校の悪い点(長時間を要求する、金額が高い、実際に話せる時間が少ないetc...)を解決することで、ユーザーに価値あるソリューションを提供したからです。その結果、英会話学校の潜在顧客を奪い、市場を顕在化することができた(=新規市場を創造できた)のです。

このように、あるテーマ(英会話など)について、既存の行動・製品・サービスなどをユーザーの視点から捉え、その良い点・悪い点を明確にすることで、新しい事業を思いついたり、現在の事業をブラッシュアップしたりするのです。価値(Value)の位置付け(Proposition)を明確にするシンプルな図(Canvas)ということです。

思考のフレームワークであり、その枠組みを支えるためのツールでもあります。



注意点としては、

①そもそもの対象となるユーザー設定が正しいのかは分からないという点(英会話学校に通っている人の意見を聞いても参考にならないかも/通いたいけど通えない人が真のターゲット)
※Lean Canvas(ビジネスの各要素を分解して1枚の図にしたもの)を使って、事前にターゲット自身の仮説を用意すれば、この問題は回避可能。

②右側の現状把握から左側のソリューションに橋渡しをする際に、アイデア出しや様々な検証が必要となる点
※思考の飛躍というかインスピレーション的なものが重要だったり、地味な作業の積み重ねが要求されることになる。

③行動に表れにくい部分や普段は意識をしていない本音(ユーザーインサイト)に辿り着けるとは限らない。
※顧客開発やリーン:事前に仮説を用意しておくことが必要。ただし、それはそれで誘導尋問に陥りやすい。そこで、UXやデザイン思考:インタビューや観察のノウハウが活きる。


参考URL:
『Test Your Value Proposition: Supercharge Lean Startup and CustDev Principles - Business Model Alchemist』
http://businessmodelalchemist.com/blog/2012/09/test-your-value-proposition-supercharge-lean-startup-and-custdev-principles.html
『バリュープロポジション・キャンバスの使い方(前編) -  Stylish Idea』
http://www.stylishidea.com/product_management/how_to_use_value_proposition_1/

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