2014/01/23

脳に良い刺激を与えるための3種類の思考法

まさに備忘録ですが。ふと思ったことをメモ。

人間は普段の社会生活の中で、3種類の思考法のうち、多くても、せいぜい1〜2種類しか使っていないのではないか。残る1〜2種類の思考法を用いることで、脳に良い刺激を与え、生産性が向上するのではないか。そう考えました。

具体的な3種類の内訳は以下の通り。


1: 解釈思考

自分以外の人間が書いた文章や発言内容を、正確に把握した上で、自分の言葉で説明するための思考法。要は読解力。実生活なら読書、仕事なら書類、研究なら文献の読み込みで使う。あと、これが身に付いていると、センター試験の現代文で8割取れる。

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2:反復思考

知識を定着させるために、同じパターンの問題を繰り返し解くための思考法。思考法というか、そういう脳の使い方。実生活をより豊かにする料理の練習、仕事で使う証券アナリストの勉強、研究の前提となる統計手法の演習などなど。これができないと、大学受験で標準問題を落とす。

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3:解決思考

何らかの問題・目標が与えられたとき、現状を分析した上で、最適な回答を導き出す思考法。要は生産性の追求。

実生活だと「冬場の窓が結露によってカビてしまう」といった問題に対して、この思考法を用いる。論理的に考えることが出来ない場合、「室内外の温度差が原因なのだから室内の温度を下げれば良い」といった、本末転倒な解決策に至る。「冬場に室内を寒くしたら健康に悪い。だからその選択肢はアウト」という判断が要求される。もしかしたら「カビを完全に防ぐのは諦めて、もしカビたらすぐに落とせる工夫」をした方がいいかもしれない。

仕事だと、経営者から新入社員まで、大型投資案件の可否から、ちょっとしたお茶汲みの配慮まで、ありとあらゆる場面でこの思考法が要求される。この思考法を活かして高いパフォーマンスを発揮する人は一目置かれるだろうし、検討外れの意思決定を繰り返す人材は煙たがられるだろう。

他には、研究論文も例に挙げることができる。論文の意義と解決課題を示した後は、まさにこの解決思考に基づいて、仮説と検証結果を論じることになるからだ。あと、これができないと、大学受験で問題集は解けるけど、過去問や模試を解けない状況に陥る。

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以上、3つの思考法があるのではないかと思います。これらは、それぞれ使う場面が異なっている。目的によって、最適な思考法が異なるから。

例えば、初心者がプログラミングを勉強しようとした場合、「マシン語の仕組みから理解していく」(1:解釈思考)もしくは「頻出コードを何度も写経する」(2:反復思考)だと、大抵の場合は挫折する。だから「3:作りたいものをどうやって実現するか悩みながら実装する」ことを推奨する。実装の過程で、必然的に1や2を経験し、レベルアップする。…という言説をしばしば拝見します。

反対に、新社会人が入社までに基礎知識を叩き込んでおいて(2:反復思考)、その後、実務の中で応用力を身につける(3:解決思考)ことが仕組み化されている環境もある。また、一流の研究者を志すのであれば、理論の土台をしっかりと読み込む経験(1:解釈思考)が、視座に深みを与えてくれるだろう。

いまの自分の頭の使い方が、置かれている立場とズレているなら、上記を参考にして、修正できないか検討してみてはいかがでしょうか。



逆のパターン、つまり、思考法が環境に最適化された人は、 あえて別の思考法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

読書のインプットはしているけれど実生活に何も役立てられていない人は、普段のちょっとした「困った」をどうやって解決すれば良いか、時間を設けて考えてみるとか。英単語ばかり頭に叩き込んでいる人は、簡単なリーディング冊子を手に取って読んでみるとか。1日1日は上手いこと乗り越えているものの、どこか浅い判断をしがちだなぁーと感じている人は、とりあえず本を1冊読んでみるとか。

そうやって、普段使っているのとは別の頭を使うことで、インスパイアされて本業にも良い影響を与えることができるかもしれません。


…ということを読書してて思いました。


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ちなみにこの本です。

低所得者が、お金を節約するために、自分の医療費を削り、結果として、直せたはずの病気が悪化し、死に至った。そういったエピソードが掲載されています。だから何だって話なんですけど、知識や知見は、怠惰を正当化したり重箱の隅をつつくためにあるのではなく、人生を豊かにするためにあるんだよなー、と思ったり。

あと、思考法というと「思考の整理学 (ちくま文庫)」を思い出す。また読みたくなってきた。語尾を一貫させた方が良いかなと思いつつ、おわり。

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